LISTEN ホームへ

文字サイズの可変文字を小さくする文字を中くらいにする文字を大きくする
あなたと考える、その先の「いい住まい」
ホームへLISTENとは?
 
LISTENコミュニティ LISTENコミュニティ 完成!LISTENのカタチ Maker's Interview

ホーム > LISTENコミュニティ > No.20 より良い暮らしを深める、日本の手しごとを巡る旅。高岡/前編

No.20 より良い暮らしを深める、日本の手しごとを巡る旅。高岡編(1)

2014.2.19 up

お客様により良い暮らしを提供するために、日々「ものづくり」と向き合ってきたLISTENでは、コラムやアンケートを通して、新しいライフスタイルの提案や新商品の開発を行ってきました。 今回注目するのは、日本の伝統工芸。長く愛される住まいを作るにはどうしたらいいのか、これまでとは違った視点で追及するために、伝統工芸が息づく街・富山県高岡市に目を向けてみましょう。 職人の「こだわり」を現場で間近に体験し、その「想い」に耳を傾けてみること。そこに新しいヒントを探るべく、実際に旅に出ることにしました。

古くから伝わる物作りに、暮らしの豊かさを探そう。
富山県高岡市が、日本有数の「ものづくり」の町へと発展することとなったきっかけは、今から約400年前。高岡城を築城した加賀藩の藩主・前田利長によって、7名の鋳物師が中心市街地の近く金屋町に呼び寄せられ、銅器や漆器、捺染といった産業が発達していったのです。仏具や銅像、建材、そして漆器や看板、食器。私たちの暮らしの至るところで、高岡の技術が生きています。工房は、職人の暮らしの知恵の宝物殿。丁寧に研磨されてピカピカに光る金物のような暮らしの知恵を、物作りの町に探しに行きましょう。
「アルベキ社では、ホテルやレストランで使われているアートパネルや食器、漆塗りの器や看板、建材などを作っています。漆器は、螺鈿職人や蒔絵師の手元に渡り、装飾が施されます」アルベキ社の山村高明さんは、三代目。祖父の代から、漆塗りを手掛ける株式会社三佳を営み、高明さんの代で独立しました。


職人の高い技術が叶える、細部の表現。
高岡漆器の歴史は長い。もとを辿れば385年前。町人工芸としてスタートし、中国風の漆器が取り入れられ、草模様の盆や重箱などが高岡漆器のスタイルとなりました。彫刻師が木地を掘り陰影をつけたところに漆を塗る「彫刻塗」、錆絵や蒔絵を施す「勇助塗」、螺鈿の装飾を施す「青貝塗」。アルベキ社では、主に彫刻塗りや、装飾を施す前の漆塗りを手掛けています。山村さんが、先代が作った彫刻塗りで作られた龍の作品を見せてくれました。「これは、木地を彫った上から何層も違う色を塗っているんです。彫りの深さで、出てくる色が違うのを計算して、立体感や色味を表現しているんですよ」。他にも、筆の流れや圧を繊細に再現した立体的な文字看板など、細部へのこだわりと技が光る商品が次々と出てきます。「物心ついたときから、ずっとこの風景を見ているので意識したことはなかったのですが、やっぱり好きなのかなと思います。この技を絶やしてはいけないと思い、前職をやめて家業を継ぎ、伝統的な塗りを徹底的に身体に叩き込みました」。
現代の作品が、いつかきっと伝統になる。

「今は、さらにどんな素材にどんな塗装や加工を施したら、良いものになるかという実験を繰り返していますね」彫刻、和紙貼り、布貼りなど、テクスチャーと塗りを変えるだけで、質感が大きく変わります。従来の漆器の仕上げは、ピカピカに磨き上げられた質感が完成品として好まれましたが、最近では、職人からすると製作“途中”のような、荒めの質感が好まれる傾向にあると言います。伝統とは、長い歴史の積み重ねられた結果。何事にも、始まりはあるもの。山村さんが組み合わせの妙によって編み出している新たな手法も、伝統と呼ばれる日が来るのかもしれません。




つやつやと深い色が美しい漆器に、青く煌めく貝殻で描かれた繊細な模様。宝物のようなこの装飾技法を、螺鈿(らでん)と言います。職人は、繊細に貝を扱い、染め付ける高い技術が必要とされます。高岡の工芸は、分業が基本。武蔵川工房で行っているのは、下地・デッサンにあたる「置目」、絵柄に合わせて貝を切り、貼付ける「青貝付け」、細部を表現するために細かく削りを入れる「毛彫り」の3行程。漆器を作る職人から、この工房に漆器が届き、華やかな加工を施されたものが、次の職人の手に渡っていきます。

細い針を使って、薄く割れやすい貝を切る。
螺鈿で使われているのは、主にアワビや夜行貝。内側の光沢ある面を、向こう側が透けて見えるほどに丁寧に研磨したものが素材として用いられています。「貝切り」は、下絵に合わせて、針などの工具を使って貝を削りだす作業行程のこと。素材の貝は薄く割れやすく、素人が真似して針を入れれば、意図しないところでパキっと簡単に割れてしまいます。特になめらかな曲線を形作るのが難しいと言われていますが、下絵は曲線を多用したものばかり。それを、四代目の武蔵川剛嗣(たけし)さんはいとも簡単に削って見せます。さらに、大きな模様は、複数の貝を繋ぐその繋ぎ目を見せないように表現するというから、要する集中力は並大抵のものではありません。
時代によって求められるモチーフも変化する。

「三代目が得意なのは、花や鳥といった華やかなモチーフ。僕は、幾何学模様のような象徴的なモチーフが好きなんです。最近では、iPhoneケースや、企業のグッズなどの製作も手掛けています。伝統工芸の至る所で、高齢化、後継者問題などが起きていますから、伝統技術は継承しながらも、今の時代にあった物づくりが大切だと考えています」。高い技術力を持った職人の手によって、進化する物づくり。どんな物が私たちの手元に届くようになるのか、これからの景色が楽しみになります。



「彼を知り己を知れば百戦あやうからず」という孫子の言葉があります。素材と技術を良く知っていること、それは高田製作所が良いデザインを生む基本。創業は、今から66年前、黄銅鋳物による仏具の製造からスタートした製作所は、現在、デザイナーと共に様々な商品開発を進めています。最近のヒット商品は、カチカチに凍ったアイスクリームもすんなり食べられる魔法のスプーン。魔法の秘密は、素材にありました。熱伝導率の高いアルミニウムの特性を利用して、手の熱がアイスクリームに伝わりやすいよう設計されているのです。

機械の微調整にも、職人の勘が生きる。
鋳物とは、製品の型を作り、その型のなかに溶かした金属を流し込んで成型する製造法のこと。注ぎ口を作り、金属が全体に行き渡るよう考慮し、金属が冷えたときに縮まる特性を見積もった縮みしろを取らなければならない、繊細な製造法です。高田製作所では、原型とその周辺に砂を押し付けて型を作る砂型鋳造という製法をとっています。工場では、砂型を作る機械や、金属を溶かし、型に流し入れる大きな機械の動く音をBGMに、職人がもくもくと手を動かしていました。「手仕事で仕上げるところと機械を使っているところと両方あります。機械を動かすにしても、長年培ってきた経験がないと微妙な設定ができないので、これまでの歴史が下支えになっていることは間違いありませんね」
素材と向き合ったデザイン。

アイスクリームスプーンの他にも、柔らかい錫を利用して自在に形を曲げられるアクセサリーホルダーや丁寧に磨き上げたことで柔らかな飲み口を実現したビアカップなど、素材の特性と技術力の高さをフル活用した商品ばかり。代表の高田晃一さんは言います。「どんなものを作ったら人を喜ばせられるかと考えて、人を笑顔にするのはアイスクリームだ!と気がついたんです。素材のことをよく知っているからこそ、思い付いたアイデアだと思います」。素材を知り尽くした職人たちによって、これからどんな物が生み出されるのでしょうか。



「うちの商品が買い替えられるまでの期間は、だいたい100年くらいですね」。シマタニ昇龍工房の島谷好徳さんから、驚きの言葉が飛び出しました。シマタニ昇龍工房で作られているのは、けいすやおりん。経典などの読誦の開始・区切り・終了、また合掌を解く合図として、お坊さんが棒で叩いて音を鳴らす、あの鈴のことです。顧客の大半が寺院。おりんの製造や修理、調律を請け負う工房は、高岡に20軒ほどあったと言われています。鋳物製のおりんが主流になった今、島谷さんのように手打ちでおりんを手掛けられる職人の数は、日本全国で数えても片手ほど。高岡では、シマタニ工房を含めて2軒ほどだそうです。8割が高岡産だというから、全国からここにおりんが集まっていることになります。

音色を聞くだけで5年、叩いて10年。
銅と亜鉛を混ぜた金属を、金槌などを使い成型し、炉で熱しては叩き、熱しては叩きを繰り返す。この「焼き鈍し」と呼ばれる作業を30回ほど繰り返して形を整えていくのです。赤く形が歪む直前まで熱したおりんは、叩き方やそのときの様々な状況によって繊細に音色が変わります。出来が良いように見えても、音色が良くないこともあるそうで、その微妙な調節は、経験によって得られる勘だけが唯一の頼り。そうして形を整えられたおりんは、次に音色の調律に入ります。島谷さんは、この調律ができるようになるまで15年かかったそう。「リズムが身体のなかにないと、調律はできません。まずは、祖父が調律している音を隣で聞くのを5年。その後、自分で鳴りを確認するようになって、独りでできるようになるのに10年かかりました。」
職人の手仕事が生む、深く奥行きのある音色。

工房には、言葉では言い表せない、深く、長く、奥行きのあるおりんの音色が鳴り響いています。調律前のものは、高い音が耳に障り、出来の良いものは、心地好い深く丸い音がじんわりと空間に広がります。最近では、お土産用の小さなおりんも人気があるそう。また、柔らかくしなやかな錫の特徴を生かした、「すずかみ」という新商品も登場。柔らかな板状の錫は、平らにして和菓子の下に敷く懐紙にしたり、少し深さを付けてナッツなどを入れたり、様々な使い方ができる優れものです。長年修行を積んだ職人による丹念な手作業が、身近な暮らしの道具を生んでいるのです。

素材の特性を知ること、現代の暮らしにあった挑戦を続けること。伝統工芸の街・高岡市の職人の方々の言葉からは、そんな暮らしのための「物作り」のヒントが見出せるのではないでしょうか。より良い暮らしを求めて伝統工芸を巡る旅は続きます。皆さまからのご意見をお待ちしています。(ご意見の募集は終了いたしました。)




これまでのコラム・アンケート

コラム:「より良い暮らしを深める、日本の手しごとを巡る旅。高岡(後編)」
コラム:「光の変わる暮らし」
コラム:「理想のキッチンのある暮らし#2」
コラム:「理想のキッチンのある暮らし」
コラム:「カスタマイズのある暮らし」

Brilliaの関連サイト

Brillia 新築分譲マンション
東京建物が贈る洗練と安心のマンション「Brillia」の最新情報をご案内しているサイトです。



Brillia  Owner's CLUB
毎日のくらしに役立つおトクな情報、より快適な住まいを維持するためのアフターケア・サポートなどをご紹介するサイトです。

ページTOP

Brillia(ブリリア)の住まい ホーム|LISTENコミュニティ|完成!LISTENのカタチMaker's Interviewブリリア 評判

FAQ・よくあるご質問Brillia 会員登録会員規約・個人情報のお取扱に関してBrillia Owners's Clubお問合わせサイトマップ

Copyright(c)Tokyo Tatemono Co.,Ltd All Rights Reserved. 東京建物 Brillia
 
Get FlashPlayer